住宅市場がサブプライム ローン崩壊に端を発する問題に苦しむ一方、メッセージングやマーケティング、および広告向けに位置情報サービス (LBS) を提供するベンダーは、自らが抱える問題の克服に苦しんでいる。
中でも大きな問題は、接続性が高く、常に利用可能なモバイル環境において、消費者のプライバシをいかに保護するかだ。無線通信事業者はすでに、利用者の位置情報をある程度つかんでいる。そして今度は広告主だ。携帯電話の Web 機能は急速に進化しているが、それらを使ってユーザーが行う Web 閲覧やオンライン活動を基に、簡単にプロフィールを作成できるツールを広告主は手にしつつある。当然ながら、消費者の多くはこの傾向を快く思っていない。
「調査の結果、大半の人がモバイル広告を気味悪く感じていた」と話すのは、LBS アプリケーション開発企業 WanderSmart Technologies の CSO (最高戦略責任者) M.J. Nash 氏だ。ボストンで開かれた展示会『Mobile Internet World』(21-23日) の最終日のパネルディスカッションに参加した Nash 氏は、たとえば日本では多くの人が、車載 GPS 技術や関連ツールを紛れもないプライバシの侵害と考えていると指摘した。
位置情報サービスというビジネスのルールがいまだ固まっていない現状にあって、このような問題にどう対処していけばよいのか。1つの方法は、消費者がプライバシやセキュリティのことをあまり心配せずにすむよう、保護対策や説明責任のレベルを今以上に高めることだ。
業界の一部には、企業が頻繁に公開するプライバシ ポリシーや利用規約を追跡するツールを提供しようという動きも見られる。このツールは、事前の同意なく第三者に情報が提供されようとすると、消費者に警告を発する。WanderSmart が手がける『MobileHarbor Gateway』もそうしたツールの1つで、位置情報に基づくモバイル サービスの利用者が、各サービスのプライバシ ポリシーの細かな違いを管理し、随時状況を把握できるようにするものだ。
プライバシ対策を強化するもう1つの方法は、検索および決定エンジンの技術を改善し、モバイル広告や情報の配信対象を絞り込むことだ。
地理的検索および情報技術を手がける企業で、創立当初は政府関連のプロジェクトを請け負っていた MetaCarta の製品担当バイスプレジデント Bob Warren 氏によれば、人々がどこにいて何を求めているかを割り出し、その人物に見合った情報を届けるには、従来の検索エンジンでは力不足だという。
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